山形打刃物の職人に製作いただいた、小さな包丁です。量産品の包丁とは異なり、いわゆる鍛冶屋の仕事で、一点一点鋼を打ち、成形する打刃物です。
先が丸いユニークな形の小さな包丁が完成しました。
「みんなのどうぐ #02」で作られた製品です。
工場の取材見学から、企画開発会議、製品を使ってのお披露目会まで、全ての製品開発ストーリーを公開しています。みんなのどうぐと、製品開発ストーリーについては、こちらをご覧下さい。
製品開発ストーリーは先のリンクに譲り、こちらでは製品に関する情報をご紹介します。
この包丁を考えるにあたり、打刃物の包丁を、どうしたら日常の生活の中で使えるか?ということを出発点としました。
おそらく、皆さんいわゆる三徳包丁(文化包丁)と呼ばれる包丁をメインに使っていらっしゃるのではないでしょうか。料理好きな方でしたら、他にも数本をお持ちで、使い分けていらっしゃるかもしれません。
三徳包丁とは別に、使い勝手が良く登場回数の多い、「毎日使える2本目の小さな包丁」を作ろう、と考えました。
詳しくは先のリンクでレポートしていますが、包丁を使うシーンを考え進めてゆくと、「三徳包丁では使いにくい場面」→「里芋など、小さな野菜の皮むき」という意見があがり、より具体的なシーンが決まってきました。
そうして完成したのが、この「たがる包丁」。「たがる」とは、山形の方言で「携える、持ち運ぶ」という意味を持ちます。アウトドアをはじめ、料理教室など、家の外でも持ち運んで行って使いたい、そんな包丁になりました。写真の通り、小さなサイズで、先が丸い形が特長です。外での使用はもちろんですが、日常の家の中の調理や、果物剥きなどのちょっとした包丁使いの場面でも使い勝手が良いです。まさに、毎日使える小さな包丁です。この包丁の仕様面のポイントは以下のようにまとまりました。
▼ 01.小回りが利くサイズと形
・いわゆるペティナイフと呼ばれる小さなサイズ
三徳包丁など、大きな包丁だと扱いにくいもの。里芋、じゃが芋、りんごをはじめ、小さな球体の野菜や果物の皮むき。ここで活躍する刃の大きさと形を考えました。
▼02. こわくないかたち
・刃先が丸い形
芋煮をはじめ、キャンプやバーベキューなどアウトドアの調理では、共有スペースでみんなで作業することも多いです。狭いスペースや、人が多い場所でも使いやすいです。
▼ 03.持ち運びのしやすさ
・小さなサイズと、丸い刃先。専用ケースも。
刃物や包丁を持ち運ぶのは、移動中も恐いもの。先が丸く、外出先で使うシーンにも持ち運びやすい包丁です。
※牛本革の専用ケースもご用意しています(9枚目写真)
▼ 04.お手入れのしやすさ
・刃の部分が直線のため、研ぎやすく
一般的な包丁と同様、長くお使いいただくには必要な研ぎ。家のお近くで研ぎに出される方が多いと思いますが、折角の打刃物を自ら研いで使い続ける、という方にも、研ぎやすいように工夫しました。
尚、こちらの包丁は、普段使い用としてお使いいただくため、和包丁のような片刃ではなく、両刃でお作りしています。そのため、左右対称に刃が付いており、右利き・左利きどちらの方にもお使いいただけます。
素材は、良質な鋼と、錆びにくいようにステンレスを使っています。錆びがついたときは、市販の消しゴムタイプの錆取り剤がおすすめです。刃を傷、簡単に取れます。研ぎに関しては、ご自宅の近くの研ぎサービスはもちろんですが、製作した島田刃物製作所でも承っておりますので、お気軽にご相談ください。
工場の写真と製作動画をご紹介しています。
PINTの包丁一覧ページ
【素材】
刃:鋼(青紙2号)・ステンレス
合わせ包丁
両刃
柄:えんじゅ(木)
山形市内で採れたえんじゅの木を使っています。木は天然素材のため、木目や色が1点1点異なります。また、手で削っているため、形に多少の個体差があります。色のムラや小さな削り跡など入る場合がありますが、使用・堅牢度ともに問題なく、良品と判断したもののみお届けしています。
【サイズ】
全長:22.5cm 刃渡り:10cm
重さ:70g
【箱】
専用箱入りです。